BLIS - Battle Line In Stars -
episode.4:BLIS JL - 6 -
昴は、家に帰ってシャワーを浴びた後、少し迷った末に、今日の試合のリプレイを回した。
試合で疲れているし、反省は明日にして今夜は休もうと思っていたが、眼を瞑ったところで、試合のことを考えてしまう気がする。
自分のプレイを見直していると、いろいろと気づくことが多い。あの時こうすればよかった、と幾つも反省箇所が見つかる。
「……はぁ」
自分のプレイのダメさに、落ち込まされる。
三回見直したところで、飲み物を取りにリビングにいくと、連はローソファーでテレビを見ていた。今日の試合を見ていたらしい。
「一緒に見る?」
テレビに視線を注ぐ昴に向かって、連は優しく声をかけた。
「……うん」
ぎこちない空気はまだ多少残っているが、試合の意見交換をしたくて、昴は連の隣に腰を下ろした。
「……TDSはとにかくローテーションが早いよね。いつでも、相手の判断の一歩先をいく感じ」
他の試合を見ていた時から思っていたことだ。実際に戦ってみて、その実感は増々強くなった。
「序盤のローテーションが速いね。アサシンは
「うん。序盤からガンガン攻めてくるよね。奇襲対策は万全を期したつもりだったんだけどなぁ……」
Team Deadly Shotのスピードに負けないよう、序盤からPower Spikeを迎えられるディオスをPickしたのだが、速さで負けて、最後まで有利を取れずに負けてしまった。
「そもそも、同じ土俵で戦ったことが間違いだったのかもしれない」
「どういうこと?」
「無理に序盤で競わなくていい。メタに拘らず、得意なファーム型ディオスをPcikして、序盤さえ凌げば、後半は敵のアサシンが機能しなくなる。Power Spikeを迎える俺達の方が有利だ」
「そうだけど、あの猛攻を三十分も凌ぐのかよ」
「序盤は自陣に乗り込まれなければ御の字、とにかく衝突を避けて、下がり気味でプレイする」
「ふーむ……」
確かに、アリかもしれない。昴が最大パフォーマンスを出せる戦略は限られている。短い期間に付け焼刃な対策を練るより、得意なディオスと戦術で応用を利かせた方が強いかもしれない。
考えこんでいると、頬を撫でられた。連を見て、瞬時に顔が熱くなった。
「よせよ」
視線を逸らしてソファーから立ち上がろうとする前に、腕をとられた。仰ぐように、強い視線に射抜かれて、昴は動くことができなくなった。
「……キスしてもいい?」
「ッ」
BLISの話をしていたのに、何を考えていたのか、思考が吹き飛んだ。端正な顔がゆっくり近づいてくる。
そっと唇が重なり、深くはないが、温度を分け合うように唇をしっとりと合わせた。
長くも短くもないキスが終わり、顔を離しても、連は昴の頬を愛おしそうに撫でた。
「……あのさ、前から思ってたけど、連は心配しすぎだよ。だって、俺だよ? 俺ごときに、ルカやアレックスが本気で迫るわけないじゃん?」
「そういう問題じゃない。遊びだろうがなんだろうが、昴が迫られている状況が嫌なんだよ」
「いつも連は飄々としてるから、ちょっと表情が表に出るだけで、おっ! って周りはなるんだよ。今度、俺がいじられてたら、無視してみろよ。あいつら、きっとすぐにやめるぜ」
「だから、昴がいじられるのが嫌なんだよ。なんで判らないの」
「いや……だって、じゃれてるだけじゃん」
困惑気味に昴がいうと、連は怖い顔をした。
「へぇ、じゃれてるだけ? 抱きしめられて、キスされているのに?」
「さすがにもうキスはされないよ。や、髪にはされたけど……まぁ、ちょっと絡んでくるだけ」
「ちょっとねぇ」
連の眼が据わった。あ、と思った瞬間には、ソファーに押し倒されていた。
「連……」
頬を優しく撫でられ、唇の輪郭を親指が象るようになぞりあげる。
甘い仕草に、心臓がドキドキし始めた。連の切れ長の瞳には、情欲が
頭を優しく撫でて、愛おしそうに指で髪を梳くと、そっと唇を落とした。なぜか、荒々しいキスより、穏やかで慈しむような仕草の方が恥ずかしく感じる。
「……どう? 抱きしめて、髪にキスをしただけだよ」
真っ赤になっている昴を見下ろして、連は淡々と答えた。
「お前なぁ!」
いろんな感情が
「んぅッ」
甘く口づけられて、言葉を封じられる。強く舌をすり合わせられて、思考がぼやけた。
身体に火がつき始め、夢中で連にしがみついていると、愛おしそうに髪を撫でられた。
連の手が昴のシャツの中にもぐりこみ、掌で直に触れてきた。身体の芯がぞくっと
「あっ」
反応する昴の媚態を眺めながら、連は指の腹で、
「んあ、ぁッ」
腰がびくんと跳ねて、思わず手を振り払おうとしたら、ソファーに縫い止められた。覆いかぶさるように、唇を奪われる。
「ッ」
「昴……」
烈しい口づけの後に、顔を離した連は、昴の濡れた唇を指でぬぐった。
強い眼差しから逃げられない。
涼し気な瞳は欲に濡れて、蒸気した昴の顔を映している。強く求められて、昴は答える代わりに、連の首の後ろに腕を回した。軽く引き寄せると、連は顔を伏せて、昴の瞼、鼻、顎の先に啄むようなキスを繰り返した。優しい唇は、少しずつへ下へと降りていく。
首筋、鎖骨に触れて、ゆっくり胸へと降りていき……甘い刺激を期待して、乳首に息がかかっただけで昴の全身は切なく震えた。
「あぁっ」
膨らんだ乳首をやんわりと唇で挟まれ、ちゅくちゅく、と吸われる。わざと濡れた音を立てながら、連は執拗に昴の胸を舐めた。
「いいよ、連……もぅッ」
愛撫をやめさせようと肩を押すと、尖った先端を甘噛みされた。
「あッ」
「……かわいい、昴。顔も胸も真っ赤になってる」
「――ッ」
恥ずかしくて、連の顔をまともに見ることできない。顔を背けると、連は再び昴に覆い被さった。色づいた乳首に吸いついて、ひとしきり昴を啼かせた後、啄むように肌を吸いながら、腹の下へと顔を下げていく。ハーフパンツをずらして、下着の上から膨らんだ性器に口づけた。
「っ」
強烈な快感に、昴は息を呑んだ。連はボクサーパンツの膨らみを優しく撫でると、亀頭を探し当てて、先っちょを指でひっかいた。
「はぅっ!」
一際甲高い声が出て、昴はパッと口を手で押さえた。連はほほえむと、昴の額にかわいい音を立てて口づけた。
「いいよ、我慢しなくて……感じてくれて嬉しい」
悪戯に乳首を指で転がしてから、連は下着を少しだけずらして、昴の屹立を外へ出した。
「……とろとろ」
「う、違っ」
手で前を隠そうとすると、指ごと屹立を舐められた。
「れ、連ッ」
「……手をどけて」
上目遣いに命令されて、昴の下肢に熱が
「あぁッ!!」
熱い粘膜に自身を包まれて、昴は烈しく身悶えた。連の口淫は巧みで、少しでも気を抜けば、あっという間に達してしまいそうだ。
「うぁ……あつぃ……ッ」
気持ちよさすぎて、何度も腰が跳ねる。快感を止められない。
淫猥な音が部屋に満ちる。与えられる悦楽に溺れているうちに、下着もハーフパンツも脱がされていた。
抗う間もなく、両足を割り広げられ、
「あンッ、や、あぁッ!」
「うぁ、連ッ」
絶え間なく与えられる快楽に、昴は怯えの滲んだ声を上げた。連は身体を起こすと、安心させるように昴の頬を撫でた。
「大丈夫、ちゃんと準備するから。力を抜いて」
「ん……」
いわれた通りに、昴は身体から力を抜いた。連は念入りに昴の身体を溶かしていく。身体中に舌で触れながら、後孔を指で抜き挿しする。
「ん、んぁ……ッ……あん……きもち、いい……」
なんで? と昴が視線で問うと、雄の顔をした連は、仰向けた昴の両足を掴み、大きく割り開いた。昴の背中にクッションを挟み、双丘をもちあげる。
「ッ!?」
まんぐり返しのような態勢をさせられ、昴は狼狽えた。
股間を手で隠すが、連は気にせず、双丘の柔肉を割り開き、あわいに端正な顔をうずめる。
「連っ」
指でたっぷりほぐされた
「や、あんっ! あっ、あっ、あぁッ」
舌で前後に抜き挿しされて、昴の下肢はぐずぐずに溶けていった。指と舌でたっぷり蕩かされた頃、連はようやく顔を上げた。
「挿れるよ」
膝裏に腕をいれて、ぐぐっと連の熱い身体が迫る。熱塊が隘路を押し開くように、少しずつ柔肉に沈んでいく。
「ゆっくりして……」
消え入りそうな声で昴が請うと、連は優しく昴を揺さぶった。
「大丈夫。酷くしないから……力を抜ける?」
「ん……」
剛直を食まされ、昴は苦しげに呻きながら、身体を弛緩させた。
連はすぐに動かず、昴が落ち着くのを待っている。息が整うのを見て、波間をたゆたうような抽挿を繰り返した。
「は……気持ちいい……昴の中、すごくイイよ」
少し掠れた声に、昴の下腹がきゅんと疼いた。楔をしめつけてしまい、連が艶めいた吐息を零す。
昴の顔の左右に腕をついて、熱の灯った瞳で昴を見下ろす。顔を背けると、連は顔を伏せて、痼った乳首に舌を絡めた。いやらしくしゃぶりながら、極限まで引き抜いた楔を打ち込む。
「んぁッ! んッ」
繰り返し優しく突かれ、昴は背をしならせ、強烈な射精感に震えた。
「うぁ……いく、いく、いっちゃ……ッ」
飽くことなく肉を貪る連に、昴は窮状を訴えた。
「いく? いいよ……俺の、口の中に出して」
楔を引き抜き、身体をずらした連は、昴の性器を口に含んだ。
「っ!?」
放熱を堪えようとするが、連は追い打ちをかけるように口を窄めて、鈴口を強く吸引した。
「ちょッ、あぁ――ッ!」
どくどく、吐き出された熱の奔流を、連は一滴も零すまいと吸い上げた。喉を鳴らして嚥下すると、亀頭の割れ目を舌で抉り、もっと、と強請るように突いてくる。
「う……ぁん……も、出ないって……」
汗で湿った、連の前髪に指を通すと、連は欲情しきった瞳で昴を射抜いた。
均整のとれた身体を起こすと、濡れた唇を手の甲でぬぐい、力の入らない昴の身体をうつ伏せにした。
「腰をあげて」
いわれるがまま、昴は腰を高くあげた。覆い被さった連は、後ろから昴を貫いた。
「あぁッ」
休む間もなく貪られて、昴はがくがくと身体を痙攣させた。手足に力が入らない。
「昴……」
後ろから昴の耳を食んだ連に、耳元で小さく名を呼ばれて、下腹が切なく疼いた。
その声を聞いただけで、昴は達した。精を噴き上げて震える性器を、連が更に手で扱いてくる。
「うぁッ、ふ、あぁぁ……く……ッ」
途方もない愉悦が、全身を駆け抜けていった。連も、昴の最奥で弾けた。細かく腰を震わせた後、ずるっ、と昴の中から出ていく。
昴はぐったりとソファーの上で弛緩した。指一本を動かすのも億劫に感じる。連は労わるように、昴の汗ばんだ背中に、何度もキスを落とした。
「なぁ……信じてくれよ。こんなことするの連だけだし、他の誰にも靡いたりしないから」
掠れた声で昴がいうと、連は汗ばんだ昴の背を撫でながら、首筋に唇を落とした。
「……傍にいて、好きっていってもらえて、それで十分だったのに……俺はどんどん欲深くなっていくな」
「嫉妬してくれて、ちょっと嬉しい気もするけど、連が傷ついたり、嫌な思いをするのは嫌なんだ……俺は、連が思っているよりも、もっとずっと連のことが好きだよ」
顔を傾けて、寝そべったまま連を見つめると、珍しく連は照れたように手で口を覆った。
これだけ濃厚に交わっておきながら、妙に初々しい姿だ。穏やかな気持ちで昴はほほえんだ。