アッサラーム夜想曲
第2部:シャイターンの花嫁 - 9 -
放出後の、気だるい脱力感が幾らか和らぐと、見計らったようにジュリアスは上半身を起こした。寝そべったまま、目で追いかける光希の手を取り、指先に口づける。
陽に焼けた天鵞絨 のように滑らかな肌。しなやかで逞しい、相変わらず羨ましいくらい綺麗な身体をしている。
目が合うと、男らしい仕草で前髪を掻き上げながらほほえんだ。
思わず鼓動が跳ねる。何度思ったか知れないが、ジュリアスは心臓に悪いくらい、綺麗で恰好いい。見惚れていると、足首を持ち上げられて、大きく割り開かれた。
「ジュリッ」
熱を帯びた視線が、あらぬところに向かう。
向けられる強い視線に、思わず静止を呑み込んだ。光希は放熱を遂げて、一休みさせてもらった。次はジュリアスの番だ。
うつぶせにさせられて、尻たぶを揉みこまれる。柔らかなジュリアスの髪が背中に触れて、敏感になっている身体が跳ねた。
刺激に身構えていると、窄まりに吐息を吹きかけられた。
「ん……っ」
指で孔の皺を伸ばすように、上下左右にこすられる。
その刺激だけで腰が甘く痺れて、垂れた中心が反応し始めた。四つん這いにさせられて、上半身を伏せた状態で尻を高く上げさせられる。
心臓が、口から飛び出してしまいそうだ。尻の割れ目をつぅと撫で上げられると、あられもない声が出そうになった。
「力を抜いていて」
「あ……」
熱い舌に、身体がぞくりと震えた。後孔を拡げるように入り口の周囲を舐めてから、ゆっくりと舌を差し挿れられる。
粘膜をなぞるように、何度も熱い舌で抜き差しされると、次第に身体は昂 った。
「っ、は、あ……っ」
それでもまだ熱が回り切っていないせいか、喘いでいる自分を少しだけ冷静に見てしまう。
ジュリアスに抱かれると、いつもこうだ。組み敷かれて、舐められて、女みたいに喘いで……だけど気持ちいい。
あの平和な世界に暮らしていた光希の常識は、もう半壊している。ジュリアスに出会って、何もかも変わったのだ。
粘着な音を立てながら、長い指に後孔を弄られる。二本まとめて抜き差しされるようになると、時折、前立腺の傍を刺激されて腰が甘く震えた。
「ふ……ッ……んぅ」
「気持ちいい?」
「……ッ」
応えられずにいると、後孔を舌に愛されながら前にも手を伸ばされた。羽が触れるように、裏筋まで長い指が滑る。
「あ……っ」
「ねぇコーキ、気持ちいい?」
「ジュリ……」
「ん……?」
心臓が壊れそうなほど煩い。
最中に素直に感情を口にするのは苦手だ。いわせたいのなら、いっそもっと、何も考えられないほど、溶かして欲しい。達 く寸前は、いつだって頭の中を真っ白にできるから……
「あ、あ、あッ、ジュリ!」
答えないことに痺れを切らしたのか、ジュリアスが追い上げてきた。股下から手を伸ばして、前を弄られながら、尻孔を三本の指で同時に抜き差しされる。
「は……私は気持ちいいよ、肌を合わせることも、口づけも、身体の一番深いところで、交わることも……全部、コーキがくれるもの全てが」
「ああっ」
「全てが、愛おしい」
指を抜かれる瞬間、内壁を掻かれて背中が深くしなった。
前のめりに倒れる身体を更に征服するように、ジュリアスの力強い腕が上から押さえつけてくる。尻をいっそう高く上げさせられて、熱い塊が押し当てられた。
「――ッ」
息を吐いて、熱い昂りを迎え入れる。
ゆっくり奥まで挿れると、ジュリアスは上半身を倒して、動くよ、と耳朶に囁いた。
腰を揺らす度に、侵入は深まる。圧迫感をもたらす熱い塊は、次第に入り口を拡げ、滑らかな抽挿へと変わってゆく。
「ひっ、は……っ」
腰を打ちつけられる度に、沈んだ上半身も合わせて上下する。
必死に敷布にしがみついていると、抽挿の速度を落としたジュリアスに、汗の浮いた背中を舐め上げられた。
「あぁっ」
背後から貫かれたあと、挿れたまま身体を横向きにするよう促された。右足の太腿を腕で支えられて、下肢を合わせると激しい抽挿が再開する。
「あ、んぁっ、あンッ」
腰がぶつかる度、震動で性器から透明な蜜が飛び散った。この上なく卑猥な光景だが、もう恥ずかしいと考える余裕はない。
昇りつめたい――
それなのに……あと少しで極められそうなのに、間際になるとジュリアスは速度を落として、刺激を逃がしてしまう。
焦れったく感じていると、完全に動きを止めたジュリアスに耳元で囁かれた。
「気持ちいい?」
吐息を吹きかけられるだけで、可笑しいくらいに身体が震えてしまう。
「ンッ……気持ちいい……」
ふっと小さく笑うと、ジュリアスは抱っこするように自分の身体の上に光希を乗せた。その体勢のまま緩やかに腰を上下させる。
甘く揺さぶりながら、震える性器を撫でたり、勃ち上がった乳首を舐めたり、弄ったりと全身をくまなく愛撫する。
「う、ひゃぁ……ッ……んぅッ、あっ、あぁ」
触れられて、舐められて、優しく突かれて――
緩やかな抽挿に合わせて、身体中の官能を引き出されるように触れられる。愛している、と熱烈に全身で伝えてくる。
ゆらゆらと波間をたゆたうような行為が長く続き、我慢しきれず光希が達すると、ジュリアスも追いかけるように光希の中に放熱を遂げた。
陽に焼けた
目が合うと、男らしい仕草で前髪を掻き上げながらほほえんだ。
思わず鼓動が跳ねる。何度思ったか知れないが、ジュリアスは心臓に悪いくらい、綺麗で恰好いい。見惚れていると、足首を持ち上げられて、大きく割り開かれた。
「ジュリッ」
熱を帯びた視線が、あらぬところに向かう。
向けられる強い視線に、思わず静止を呑み込んだ。光希は放熱を遂げて、一休みさせてもらった。次はジュリアスの番だ。
うつぶせにさせられて、尻たぶを揉みこまれる。柔らかなジュリアスの髪が背中に触れて、敏感になっている身体が跳ねた。
刺激に身構えていると、窄まりに吐息を吹きかけられた。
「ん……っ」
指で孔の皺を伸ばすように、上下左右にこすられる。
その刺激だけで腰が甘く痺れて、垂れた中心が反応し始めた。四つん這いにさせられて、上半身を伏せた状態で尻を高く上げさせられる。
心臓が、口から飛び出してしまいそうだ。尻の割れ目をつぅと撫で上げられると、あられもない声が出そうになった。
「力を抜いていて」
「あ……」
熱い舌に、身体がぞくりと震えた。後孔を拡げるように入り口の周囲を舐めてから、ゆっくりと舌を差し挿れられる。
粘膜をなぞるように、何度も熱い舌で抜き差しされると、次第に身体は
「っ、は、あ……っ」
それでもまだ熱が回り切っていないせいか、喘いでいる自分を少しだけ冷静に見てしまう。
ジュリアスに抱かれると、いつもこうだ。組み敷かれて、舐められて、女みたいに喘いで……だけど気持ちいい。
あの平和な世界に暮らしていた光希の常識は、もう半壊している。ジュリアスに出会って、何もかも変わったのだ。
粘着な音を立てながら、長い指に後孔を弄られる。二本まとめて抜き差しされるようになると、時折、前立腺の傍を刺激されて腰が甘く震えた。
「ふ……ッ……んぅ」
「気持ちいい?」
「……ッ」
応えられずにいると、後孔を舌に愛されながら前にも手を伸ばされた。羽が触れるように、裏筋まで長い指が滑る。
「あ……っ」
「ねぇコーキ、気持ちいい?」
「ジュリ……」
「ん……?」
心臓が壊れそうなほど煩い。
最中に素直に感情を口にするのは苦手だ。いわせたいのなら、いっそもっと、何も考えられないほど、溶かして欲しい。
「あ、あ、あッ、ジュリ!」
答えないことに痺れを切らしたのか、ジュリアスが追い上げてきた。股下から手を伸ばして、前を弄られながら、尻孔を三本の指で同時に抜き差しされる。
「は……私は気持ちいいよ、肌を合わせることも、口づけも、身体の一番深いところで、交わることも……全部、コーキがくれるもの全てが」
「ああっ」
「全てが、愛おしい」
指を抜かれる瞬間、内壁を掻かれて背中が深くしなった。
前のめりに倒れる身体を更に征服するように、ジュリアスの力強い腕が上から押さえつけてくる。尻をいっそう高く上げさせられて、熱い塊が押し当てられた。
「――ッ」
息を吐いて、熱い昂りを迎え入れる。
ゆっくり奥まで挿れると、ジュリアスは上半身を倒して、動くよ、と耳朶に囁いた。
腰を揺らす度に、侵入は深まる。圧迫感をもたらす熱い塊は、次第に入り口を拡げ、滑らかな抽挿へと変わってゆく。
「ひっ、は……っ」
腰を打ちつけられる度に、沈んだ上半身も合わせて上下する。
必死に敷布にしがみついていると、抽挿の速度を落としたジュリアスに、汗の浮いた背中を舐め上げられた。
「あぁっ」
背後から貫かれたあと、挿れたまま身体を横向きにするよう促された。右足の太腿を腕で支えられて、下肢を合わせると激しい抽挿が再開する。
「あ、んぁっ、あンッ」
腰がぶつかる度、震動で性器から透明な蜜が飛び散った。この上なく卑猥な光景だが、もう恥ずかしいと考える余裕はない。
昇りつめたい――
それなのに……あと少しで極められそうなのに、間際になるとジュリアスは速度を落として、刺激を逃がしてしまう。
焦れったく感じていると、完全に動きを止めたジュリアスに耳元で囁かれた。
「気持ちいい?」
吐息を吹きかけられるだけで、可笑しいくらいに身体が震えてしまう。
「ンッ……気持ちいい……」
ふっと小さく笑うと、ジュリアスは抱っこするように自分の身体の上に光希を乗せた。その体勢のまま緩やかに腰を上下させる。
甘く揺さぶりながら、震える性器を撫でたり、勃ち上がった乳首を舐めたり、弄ったりと全身をくまなく愛撫する。
「う、ひゃぁ……ッ……んぅッ、あっ、あぁ」
触れられて、舐められて、優しく突かれて――
緩やかな抽挿に合わせて、身体中の官能を引き出されるように触れられる。愛している、と熱烈に全身で伝えてくる。
ゆらゆらと波間をたゆたうような行為が長く続き、我慢しきれず光希が達すると、ジュリアスも追いかけるように光希の中に放熱を遂げた。