アッサラーム夜想曲
第2部:シャイターンの花嫁 - 8 -
「コーキ、少し腰をあげて」
いわれるがまま腰を浮かすと、身体の下から素早く衣を引き抜かれた。光希だけ完全に裸になる。
「ジュリも……」
遠慮がちにジュリアスの服に手をかけると、ジュリアスは身体を起こして、男らしい仕草で自ら脱ぎ捨てた。そして情熱的に覆いかぶさってくる。
火傷しそうに熱い肌だ。触れ合ったところから熱が広がり、どちらからともなく腰を揺らめかせた。
「愛している、私の花嫁 」
「ジュリ……んっ」
性器を直に触れられて、反射的に身体が跳ねた。焦れったい指の動きで、緩やかに竿を撫で上げられる。
「気持ちいい……?」
上気しているであろう光希の顔を見て、ジュリアスは満足そうに目を細めた。青い瞳の光彩が強まり、逆光で顔に陰翳を落としていても、仄かに輝いて見える。
長い指に、性器を根元から扱かれながら、すっかり敏感になった乳首を摘まれた。
「だめッ! ジュリッ! んぅ……っ……」
官能を煽られて、あられもない声が零れてしまう。もう、昇りつめることしか考えられない。
「あ、ンッ……! 手、離して……!」
このままでは、ジュリアスの手を汚してしまう――離してもらいたくて身体を捻ろうとしたら、肩を強く押さえつけられた。
戸惑い、見上げると、強い視線に身体が震えた。慄く光希を見つめたまま、綺麗な顔を下げて、濡れた性器に舌を這わせる。放熱を堰き止めるように、指を輪っかにして根元を締め上げた。
「あっ、あンッ、ジュリッ! あぁ……ッ、離してぇッ!」
熱い舌での愛撫は、指でされるよりも、ずっと強烈だった。
根元を握られたまま、口内で亀頭をめちゃくちゃにされる。あまりの快感に、声にならない。大海に浮かぶ小舟のように、いいように翻弄されてしまう。
「んぁッ、あ、あん、ふ……っ!」
身体中を痙攣させて刺激をやり過ごしていると、ジュリアスは指の戒めを外して強く蜜口を吸い上げた。
強烈な快感が、身体を走り抜けた。
目は開いているのに、目の奥が明滅して何も映らない。身体中の熱が、細い蛇口から迸 る。
「あぁ――ッ!」
気持ち良すぎて、何も考えれない。放熱の余韻に肩を上下させていると、嚥下する音が鼓膜を叩いた。
「気持ち良かった?」
「う、、うぅ……飲んだの?」
「はい」
「嘘だろ、何で……」
羞恥で死ねそうだ。ジュリアスの顔をまともに見られず、両手で顔を覆っていると、あやすように胸に抱きこまれた。
「どうしたの?」
「……恥ずかしい」
「すごくかわいかった。私で気持ち良くなってくれて、嬉しい」
「うぅぅ……かわいくない」
照れまくる光希を、この上なく甘い表情でジュリアスは見つめている。
恐る恐る顔をあげると、上気した麗しい美貌がすぐ傍にあった。愛情に満ちた眼差しだと感じるのは、光希の自意識過剰ではないだろう。
これだけ近くにいても、少しも慣れない。ジュリアスは本当に神様みたいだ。
滑らかな褐色の頬に手を伸ばすと、気持ち良さそうに瞳を閉じて、掌にすり寄ってくる。そのかわいらしい仕草に、思わずときめいてしまう。じっとしているのをいいことに、親指で優しく眦 を撫でて……額の青い宝石に触れてみた。
額の宝石に触れられるのは、光希がジュリアスの花嫁である証だという。
ジュリアスのように額に青い宝石を持って生まれた子供は、神殿で成人するまで育てられるとサリヴァンから聞いた。
彼等はその土地を加護する神の化身とも呼ばれ、東西の決戦を歴史が繰り返す時、神意により生まれるとも。
敵に打ち勝つ為に与えられし神力を自在に操るが、感情に乏しく、喜怒哀楽は殆どない。
只一つ、花嫁を欲する強い感情を生まれ持っており、それが彼等の行動原理の全てだという。
“宝石持ち”或いは“神降ろし”と呼ばれる稀有な彼等の更に一握りだけが、己の花嫁に巡り合うことができるらしい。
生まれながらにして砂漠の覇者であったジュリアスも、想像を絶する苦難の果てに光希を手に入れたのだ、とサリヴァンは話していた。
(なんで俺なんだろう……)
ジュリアスのことを考えると、いつも思う。
思い耽 りながら青い宝石を撫でていると、宝石と揃いの青い双眸が開かれて、幸せそうにほほえんだ。
その瞬間、ジュリアスの神力が具現化して、周囲に淡い光の粒子が舞った。
本当に、ジュリアスは神様みたいだ。
いわれるがまま腰を浮かすと、身体の下から素早く衣を引き抜かれた。光希だけ完全に裸になる。
「ジュリも……」
遠慮がちにジュリアスの服に手をかけると、ジュリアスは身体を起こして、男らしい仕草で自ら脱ぎ捨てた。そして情熱的に覆いかぶさってくる。
火傷しそうに熱い肌だ。触れ合ったところから熱が広がり、どちらからともなく腰を揺らめかせた。
「愛している、私の
「ジュリ……んっ」
性器を直に触れられて、反射的に身体が跳ねた。焦れったい指の動きで、緩やかに竿を撫で上げられる。
「気持ちいい……?」
上気しているであろう光希の顔を見て、ジュリアスは満足そうに目を細めた。青い瞳の光彩が強まり、逆光で顔に陰翳を落としていても、仄かに輝いて見える。
長い指に、性器を根元から扱かれながら、すっかり敏感になった乳首を摘まれた。
「だめッ! ジュリッ! んぅ……っ……」
官能を煽られて、あられもない声が零れてしまう。もう、昇りつめることしか考えられない。
「あ、ンッ……! 手、離して……!」
このままでは、ジュリアスの手を汚してしまう――離してもらいたくて身体を捻ろうとしたら、肩を強く押さえつけられた。
戸惑い、見上げると、強い視線に身体が震えた。慄く光希を見つめたまま、綺麗な顔を下げて、濡れた性器に舌を這わせる。放熱を堰き止めるように、指を輪っかにして根元を締め上げた。
「あっ、あンッ、ジュリッ! あぁ……ッ、離してぇッ!」
熱い舌での愛撫は、指でされるよりも、ずっと強烈だった。
根元を握られたまま、口内で亀頭をめちゃくちゃにされる。あまりの快感に、声にならない。大海に浮かぶ小舟のように、いいように翻弄されてしまう。
「んぁッ、あ、あん、ふ……っ!」
身体中を痙攣させて刺激をやり過ごしていると、ジュリアスは指の戒めを外して強く蜜口を吸い上げた。
強烈な快感が、身体を走り抜けた。
目は開いているのに、目の奥が明滅して何も映らない。身体中の熱が、細い蛇口から
「あぁ――ッ!」
気持ち良すぎて、何も考えれない。放熱の余韻に肩を上下させていると、嚥下する音が鼓膜を叩いた。
「気持ち良かった?」
「う、、うぅ……飲んだの?」
「はい」
「嘘だろ、何で……」
羞恥で死ねそうだ。ジュリアスの顔をまともに見られず、両手で顔を覆っていると、あやすように胸に抱きこまれた。
「どうしたの?」
「……恥ずかしい」
「すごくかわいかった。私で気持ち良くなってくれて、嬉しい」
「うぅぅ……かわいくない」
照れまくる光希を、この上なく甘い表情でジュリアスは見つめている。
恐る恐る顔をあげると、上気した麗しい美貌がすぐ傍にあった。愛情に満ちた眼差しだと感じるのは、光希の自意識過剰ではないだろう。
これだけ近くにいても、少しも慣れない。ジュリアスは本当に神様みたいだ。
滑らかな褐色の頬に手を伸ばすと、気持ち良さそうに瞳を閉じて、掌にすり寄ってくる。そのかわいらしい仕草に、思わずときめいてしまう。じっとしているのをいいことに、親指で優しく
額の宝石に触れられるのは、光希がジュリアスの花嫁である証だという。
ジュリアスのように額に青い宝石を持って生まれた子供は、神殿で成人するまで育てられるとサリヴァンから聞いた。
彼等はその土地を加護する神の化身とも呼ばれ、東西の決戦を歴史が繰り返す時、神意により生まれるとも。
敵に打ち勝つ為に与えられし神力を自在に操るが、感情に乏しく、喜怒哀楽は殆どない。
只一つ、花嫁を欲する強い感情を生まれ持っており、それが彼等の行動原理の全てだという。
“宝石持ち”或いは“神降ろし”と呼ばれる稀有な彼等の更に一握りだけが、己の花嫁に巡り合うことができるらしい。
生まれながらにして砂漠の覇者であったジュリアスも、想像を絶する苦難の果てに光希を手に入れたのだ、とサリヴァンは話していた。
(なんで俺なんだろう……)
ジュリアスのことを考えると、いつも思う。
思い
その瞬間、ジュリアスの神力が具現化して、周囲に淡い光の粒子が舞った。
本当に、ジュリアスは神様みたいだ。