アッサラーム夜想曲
第2部:シャイターンの花嫁 - 7 -
不埒なジュリアスの手から、光希は麻布 を奪い取った。
「ありがとう、平気です」
「遠慮しなくていいのに」
「遠慮じゃない。ご心配なく。ありがとうございます」
瞳を細めてきっぱりと告げると、ジュリアスは小さく吹き出した。
照れを誤魔化すように、前を向いたまま身体を洗い続けていると、そのうちジュリアスも自分の身体を洗い始めた。
背中を向けていても、ひりつくような視線を感じる。急いで洗い終えると、光希は逃げるように石囲みの広い湯船に身体を沈めた。
『ふぅ……あー、気持ちぃー……』
極楽気分で寛いでいると、間もなくジュリアスも湯に入ってきた。広い湯船なのに、わざわざ光希の隣に身体を沈める。
照れくささをどうにか追いやり、光希は顔を傾けて、ジュリアスに笑いかけた。
「気持ちいいですね」
「ええ……光希と一緒に入れるなんて、夢みたいだな」
「うん。砂漠では、こんなに大きいお風呂、入れない」
湯をジュリアスの肩にかけてやると、腕が伸びてきて抱きしめられた。しばらく大人しくしていたが……のぼせた。
「暑いー……」
「ふふ、真っ赤だ。そろそろ上がりましょうか」
湯から出た途端に、身体から汗が噴き出した。
頭から水をかぶって汗を落ち着けると、軽装に着替えて、部屋に戻る前に少し中庭で涼んだ。
二階の私室に戻ると、ナフィーサが冷たい飲み物を運んできてくれた。光希が喉を潤している傍で、ジュリアスは度数の高そうな蒸留酒を昼間から飲んでいる。
「今日はこのまま二人でのんびり過ごしましょう。明日はナフィーサ達に公宮を案内させますよ。サリヴァンも呼んであります」
「サリヴァン! 嬉しいです! ありがとう、ジュリ」
サリヴァン・アリム・シャイターンは、ジュリアスと同じ宝石持ちで、この世界の言葉を含め、様々なことを光希に教えてくれた尊敬すべき師である。
彼とはスクワド砂漠の野営地で初めて出会い、アッサラームへの数ヶ月に及ぶ行軍の合間にも教えを受けていたのだが、ここ十日余りは凱旋準備で忙しくなり、会えていなかった。
もっと話を聞きたくて傍へすり寄ると、湯上がりで壮絶に色っぽいジュリアスに流し目で見つめられた。
「コーキ……明日までの貴方の時間を、全てもらっても良いですか?」
応えられずにいると、長くて綺麗な指が伸ばされ、光希の唇を柔らかく触り始めた。
逃げずにいると、親指が唇を割って口内に入ってくる。青い炎のような瞳を見つめたまま、口内を探る親指にそろりと舌を絡ませてみた。
「コーキ……」
青い双眸に、情欲が燃え上がる。神々しい美貌が降りてくる。唇が合わさると同時に、強く抱きしめられた。
「ん……」
貪るように唇を合わせながら、ジュリアスは攫うように光希を抱きあげた。力強い足取りで寝室まで運び、キングサイズよりも尚広い、天蓋のついた寝台の上に光希をおろした。
自分も寝台に乗り上げて、光希の顔を囲うように両腕をつく。間近で見つめ合い、どちらからともなく笑みが零れた。
そっと唇を重ねると、忽 ち燃え上がった。舌を絡ませれば、強い酒精の味が拡がり、身体は増々熱くなる。
「んぅ……っ」
酔ってしまいそう……はだけた襟の隙間に大きな手が入り込み、肌を弄 る。もどかしげに、胸から腹下まで、絹を少々乱暴に引き下げられた。触れ合う下肢に熱い猛りを感じる。
露わになった肌に、啄むようなキスが幾つも落とされた。乳首をこね回すように弄られ、熱い舌で舐 られる。
「っ、あっ、ぅ……っ」
卑猥な水音に、鼓膜を犯される。
尖った乳首を吸われて、何度も身体が撥ねた。堪え切れない声が、喉の奥から迸 る。羞恥に口を押さえても、容赦なくジュリアスに剥がされてしまう。
身体中に熱いキスを受けるうちに、気づけば光希の中心も緩く勃ち上がっていた。
「あ……」
射抜くような眼差しに光希が怯んだ瞬間、ジュリアスは触れ合った下肢を原始的な動きで強く擦り合わせた。
「んッ、ジュリ、あ……あんっ」
組み敷く身体を押しのけようとしても、びくともしない。強い刺激から逃げられない。
勃ちあがった互いの性器が、布越しに擦れて、激しく官能を誘われた。
仰け反る光希の喉に、ジュリアスは熱い舌を這わせた。震える身体を下肢で押さえつけ、肉づきの良い胸を揉みこむ。
つんと上向く先端を指先に摘まれた瞬間、甘い痺れが腰に走り、身体の奥がきゅんっと疼いた。
「あ……だ、だめ」
熱い視線が胸に落ちるのを感じて、光希は慌てて首を振った。迫る身体を押しのけようとすれば、煩いとばかりに腕をまとめ上げられ、頭上で縫い留められた。
「本当に、どうしてこんなにも甘く感じるのだろう……」
どこか陶然と呟いたジュリアスは、震える胸に顔を沈めた。色づいて尖った先端に、舌を這わせる。
「う、あッ、んんぅッ、あん」
吸ったり、甘噛みしたりと、愛着を示す。どれだけ暴れても、ジュリアスは離そうとしない。 光希は次第に鼻声になり、半泣きで許しを請うた。乳首だけしか弄られていないのに、腰が浅ましく跳ねてしまう。
乱れまくる光希の痴態を、ジュリアスは飽くことなく眺めた。腕が痛いと訴えると、僅かに力は緩んだものの、組み敷かれたまま離してはくれない。
色づき、いやらしく勃ち上がった乳首を、ぢゅうっと吸われて、光希の昂りは強く反り返った。屹立は腹に打ちつけ、透明な飛沫を散らす。
「ん――ッ」
強烈な快感に、眼裏 が燃える。
頬を上気させて、感じ入る光希の媚態を、ジュリアスは食い入るように見つめていた。気をやりかけた光希が視線を揺らすと、正気を呼び戻すように、唇に優しく口づける。
「ジュリ……」
頬を濡らす雫を、ジュリアスは愛しげに舐めとった。
「ありがとう、平気です」
「遠慮しなくていいのに」
「遠慮じゃない。ご心配なく。ありがとうございます」
瞳を細めてきっぱりと告げると、ジュリアスは小さく吹き出した。
照れを誤魔化すように、前を向いたまま身体を洗い続けていると、そのうちジュリアスも自分の身体を洗い始めた。
背中を向けていても、ひりつくような視線を感じる。急いで洗い終えると、光希は逃げるように石囲みの広い湯船に身体を沈めた。
『ふぅ……あー、気持ちぃー……』
極楽気分で寛いでいると、間もなくジュリアスも湯に入ってきた。広い湯船なのに、わざわざ光希の隣に身体を沈める。
照れくささをどうにか追いやり、光希は顔を傾けて、ジュリアスに笑いかけた。
「気持ちいいですね」
「ええ……光希と一緒に入れるなんて、夢みたいだな」
「うん。砂漠では、こんなに大きいお風呂、入れない」
湯をジュリアスの肩にかけてやると、腕が伸びてきて抱きしめられた。しばらく大人しくしていたが……のぼせた。
「暑いー……」
「ふふ、真っ赤だ。そろそろ上がりましょうか」
湯から出た途端に、身体から汗が噴き出した。
頭から水をかぶって汗を落ち着けると、軽装に着替えて、部屋に戻る前に少し中庭で涼んだ。
二階の私室に戻ると、ナフィーサが冷たい飲み物を運んできてくれた。光希が喉を潤している傍で、ジュリアスは度数の高そうな蒸留酒を昼間から飲んでいる。
「今日はこのまま二人でのんびり過ごしましょう。明日はナフィーサ達に公宮を案内させますよ。サリヴァンも呼んであります」
「サリヴァン! 嬉しいです! ありがとう、ジュリ」
サリヴァン・アリム・シャイターンは、ジュリアスと同じ宝石持ちで、この世界の言葉を含め、様々なことを光希に教えてくれた尊敬すべき師である。
彼とはスクワド砂漠の野営地で初めて出会い、アッサラームへの数ヶ月に及ぶ行軍の合間にも教えを受けていたのだが、ここ十日余りは凱旋準備で忙しくなり、会えていなかった。
もっと話を聞きたくて傍へすり寄ると、湯上がりで壮絶に色っぽいジュリアスに流し目で見つめられた。
「コーキ……明日までの貴方の時間を、全てもらっても良いですか?」
応えられずにいると、長くて綺麗な指が伸ばされ、光希の唇を柔らかく触り始めた。
逃げずにいると、親指が唇を割って口内に入ってくる。青い炎のような瞳を見つめたまま、口内を探る親指にそろりと舌を絡ませてみた。
「コーキ……」
青い双眸に、情欲が燃え上がる。神々しい美貌が降りてくる。唇が合わさると同時に、強く抱きしめられた。
「ん……」
貪るように唇を合わせながら、ジュリアスは攫うように光希を抱きあげた。力強い足取りで寝室まで運び、キングサイズよりも尚広い、天蓋のついた寝台の上に光希をおろした。
自分も寝台に乗り上げて、光希の顔を囲うように両腕をつく。間近で見つめ合い、どちらからともなく笑みが零れた。
そっと唇を重ねると、
「んぅ……っ」
酔ってしまいそう……はだけた襟の隙間に大きな手が入り込み、肌を
露わになった肌に、啄むようなキスが幾つも落とされた。乳首をこね回すように弄られ、熱い舌で
「っ、あっ、ぅ……っ」
卑猥な水音に、鼓膜を犯される。
尖った乳首を吸われて、何度も身体が撥ねた。堪え切れない声が、喉の奥から
身体中に熱いキスを受けるうちに、気づけば光希の中心も緩く勃ち上がっていた。
「あ……」
射抜くような眼差しに光希が怯んだ瞬間、ジュリアスは触れ合った下肢を原始的な動きで強く擦り合わせた。
「んッ、ジュリ、あ……あんっ」
組み敷く身体を押しのけようとしても、びくともしない。強い刺激から逃げられない。
勃ちあがった互いの性器が、布越しに擦れて、激しく官能を誘われた。
仰け反る光希の喉に、ジュリアスは熱い舌を這わせた。震える身体を下肢で押さえつけ、肉づきの良い胸を揉みこむ。
つんと上向く先端を指先に摘まれた瞬間、甘い痺れが腰に走り、身体の奥がきゅんっと疼いた。
「あ……だ、だめ」
熱い視線が胸に落ちるのを感じて、光希は慌てて首を振った。迫る身体を押しのけようとすれば、煩いとばかりに腕をまとめ上げられ、頭上で縫い留められた。
「本当に、どうしてこんなにも甘く感じるのだろう……」
どこか陶然と呟いたジュリアスは、震える胸に顔を沈めた。色づいて尖った先端に、舌を這わせる。
「う、あッ、んんぅッ、あん」
吸ったり、甘噛みしたりと、愛着を示す。どれだけ暴れても、ジュリアスは離そうとしない。 光希は次第に鼻声になり、半泣きで許しを請うた。乳首だけしか弄られていないのに、腰が浅ましく跳ねてしまう。
乱れまくる光希の痴態を、ジュリアスは飽くことなく眺めた。腕が痛いと訴えると、僅かに力は緩んだものの、組み敷かれたまま離してはくれない。
色づき、いやらしく勃ち上がった乳首を、ぢゅうっと吸われて、光希の昂りは強く反り返った。屹立は腹に打ちつけ、透明な飛沫を散らす。
「ん――ッ」
強烈な快感に、
頬を上気させて、感じ入る光希の媚態を、ジュリアスは食い入るように見つめていた。気をやりかけた光希が視線を揺らすと、正気を呼び戻すように、唇に優しく口づける。
「ジュリ……」
頬を濡らす雫を、ジュリアスは愛しげに舐めとった。