アッサラーム夜想曲
第1部:あなたは私の運命 - 31 -
翌朝、光希はジュリアスの隣で目を醒ました。
慣れない行為で負った筋肉痛と発熱の為、寝台から起き上がれなかった。
一方ジュリアスは、いつもより艶々とした輝くような美貌で、光希を心配しながらも軍服を纏 って天幕を出ていった。
微熱と全身筋肉痛で身体の負担は酷かったが、身体を重ねたことで、心の均衡は安定を取り戻していた。好きだといってくれたジュリアスの気持ちも、信じてみようと今は前向きに思える。
抱き心地が良いわけでもない男の光希を、一途に全身で愛してくれたのだから……伊達や酔狂ではなかったはずだ。
その日の夜――
天幕にジュリアスが戻ってくる頃には、光希も大分調子を取り戻していた。
湯浴みしたいと伝えると、ジュリアスは嬉々として湯を運び、力の入らない光希を支えて湯に入れてくれた。
そのあとも傍を離れようとせず、あれこれと世話を焼いた。一段と視線や仕草が甘くなったと感じるのは、決して光希の気のせいではないだろう。
「僕は大丈夫……」
今も、ジュリアスは絨緞の上で光希を抱っこして、スープを手ずから飲ませようとしている。
子供じゃないんだから、と光希は戸惑いつつ、ジュリアスの嬉しそうな顔を見ると何もいえなくなる。
「コーキ、私の****……****」
やがて、綺麗に整えられた寝台に二人で入ると、ジュリアスが覆いかぶさってきた。
ぎょっとした。流石に昨日の今日で身体を動かすのは辛い。
『今日は無理だよ……体調が悪いんだ』
怯えながら見上げていると、ジュリアスは慈愛に満ちた笑みを浮かべて頷いた。
判ってくれたのかと思ったが、伸ばされた手に容赦なく上下の寝間着を脱がされた。
「ジュリッ!」
「コーキ*****。大丈夫です」
『はぁっ!?』
確かに、挿入はされなかった。
けれど、全身を手と唇で愛撫されて、赤く腫れた孔を舌で何度も穿 たれた。
最後は興奮して勃ち上がった互いのものを、抱き合うようにして扱き合い射精。挿れなかっただけで、もう殆どセックスと同じ行為だ。
一回で止めてくれたとはいえ、結局、光希は疲れ切って眠りに落ちた。
その翌朝。
気持ち悪い自分の喘ぎ声で目が醒めた。
違和感を感じて股間を見下ろすと、艶やかな金髪が視界に映った。朝勃ちしている光希のものを、形の良い唇に咥えられていた。
強制的に射精させられ、更に背後から挑んでこようとする。半泣きで許しを請うと、ジュリアスは美しい笑みを浮かべて、光希を四つん這いにさせた。
挿入こそされなかったが、閉じた太ももの合間を熱い屹立が何度も擦り上げて、光希の下半身はあられもない有様であった。
朝から三回も射精させられて、起きた傍から寝込む羽目になった。
淫蕩な日々――
二人きりの天幕で、朝も夜も関係なく身体を求められる。
光希の体力を見ながら、最後までする日もあれば、慰め合って終わる日もある。抱かれた翌日は、念入りに舌で孔を舐 られた。
初めて身体を重ねたあの夜から、ジュリアスは少しも変わらず情熱的に光希を求める。
貪るように抱かれて、倒れるように眠り、起きて……繰り返し。
天幕に軟禁される生活は相変わらずだが、朝と夜に体力を激しく消耗するので、日中は横になって休むことが増えた。
光希は次第に、身体を重ねることを、負担に思うようになってしまった。
ここでの生活で、光希にできることは一つしかない。
天幕で大人しくジュリアスの帰りを待ち、性欲処理をするように身体を重ねるだけ……
自由はないけれど、安全な衣食住の見返りに、身体を差し出しているようで辛い。
もちろん、ジュリアスのことは好きだ。好きだからできる行為だと判ってはいるけれど、身体を重ねる度に、心に重石が増えていくようだ。
辛いと感じるのは、この関係が決して公平ではないからだろう。
寝台を整えて、身体を綺麗にした後、光希はサーベルを枕元に置くジュリアスを、決意の眼差しで見つめた。
「ねぇ、ジュリ」
「ん?」
「僕、外にいきます」
ジュリアスは光希を振り返ると、思慮深い眼差しで見つめた。光希も変わらぬ意志をこめて見返す。
「はい、****。もう少しだけ待って。ごめんね、***連れていくから」
「明日? 明後日?」
「コーキ……」
ジュリアスの表情が翳った。そういう顔をされると、いつもの光希なら引き下がるところだが、今回はそうはいかない。
慣れない行為で負った筋肉痛と発熱の為、寝台から起き上がれなかった。
一方ジュリアスは、いつもより艶々とした輝くような美貌で、光希を心配しながらも軍服を
微熱と全身筋肉痛で身体の負担は酷かったが、身体を重ねたことで、心の均衡は安定を取り戻していた。好きだといってくれたジュリアスの気持ちも、信じてみようと今は前向きに思える。
抱き心地が良いわけでもない男の光希を、一途に全身で愛してくれたのだから……伊達や酔狂ではなかったはずだ。
その日の夜――
天幕にジュリアスが戻ってくる頃には、光希も大分調子を取り戻していた。
湯浴みしたいと伝えると、ジュリアスは嬉々として湯を運び、力の入らない光希を支えて湯に入れてくれた。
そのあとも傍を離れようとせず、あれこれと世話を焼いた。一段と視線や仕草が甘くなったと感じるのは、決して光希の気のせいではないだろう。
「僕は大丈夫……」
今も、ジュリアスは絨緞の上で光希を抱っこして、スープを手ずから飲ませようとしている。
子供じゃないんだから、と光希は戸惑いつつ、ジュリアスの嬉しそうな顔を見ると何もいえなくなる。
「コーキ、私の****……****」
やがて、綺麗に整えられた寝台に二人で入ると、ジュリアスが覆いかぶさってきた。
ぎょっとした。流石に昨日の今日で身体を動かすのは辛い。
『今日は無理だよ……体調が悪いんだ』
怯えながら見上げていると、ジュリアスは慈愛に満ちた笑みを浮かべて頷いた。
判ってくれたのかと思ったが、伸ばされた手に容赦なく上下の寝間着を脱がされた。
「ジュリッ!」
「コーキ*****。大丈夫です」
『はぁっ!?』
確かに、挿入はされなかった。
けれど、全身を手と唇で愛撫されて、赤く腫れた孔を舌で何度も
最後は興奮して勃ち上がった互いのものを、抱き合うようにして扱き合い射精。挿れなかっただけで、もう殆どセックスと同じ行為だ。
一回で止めてくれたとはいえ、結局、光希は疲れ切って眠りに落ちた。
その翌朝。
気持ち悪い自分の喘ぎ声で目が醒めた。
違和感を感じて股間を見下ろすと、艶やかな金髪が視界に映った。朝勃ちしている光希のものを、形の良い唇に咥えられていた。
強制的に射精させられ、更に背後から挑んでこようとする。半泣きで許しを請うと、ジュリアスは美しい笑みを浮かべて、光希を四つん這いにさせた。
挿入こそされなかったが、閉じた太ももの合間を熱い屹立が何度も擦り上げて、光希の下半身はあられもない有様であった。
朝から三回も射精させられて、起きた傍から寝込む羽目になった。
淫蕩な日々――
二人きりの天幕で、朝も夜も関係なく身体を求められる。
光希の体力を見ながら、最後までする日もあれば、慰め合って終わる日もある。抱かれた翌日は、念入りに舌で孔を
初めて身体を重ねたあの夜から、ジュリアスは少しも変わらず情熱的に光希を求める。
貪るように抱かれて、倒れるように眠り、起きて……繰り返し。
天幕に軟禁される生活は相変わらずだが、朝と夜に体力を激しく消耗するので、日中は横になって休むことが増えた。
光希は次第に、身体を重ねることを、負担に思うようになってしまった。
ここでの生活で、光希にできることは一つしかない。
天幕で大人しくジュリアスの帰りを待ち、性欲処理をするように身体を重ねるだけ……
自由はないけれど、安全な衣食住の見返りに、身体を差し出しているようで辛い。
もちろん、ジュリアスのことは好きだ。好きだからできる行為だと判ってはいるけれど、身体を重ねる度に、心に重石が増えていくようだ。
辛いと感じるのは、この関係が決して公平ではないからだろう。
寝台を整えて、身体を綺麗にした後、光希はサーベルを枕元に置くジュリアスを、決意の眼差しで見つめた。
「ねぇ、ジュリ」
「ん?」
「僕、外にいきます」
ジュリアスは光希を振り返ると、思慮深い眼差しで見つめた。光希も変わらぬ意志をこめて見返す。
「はい、****。もう少しだけ待って。ごめんね、***連れていくから」
「明日? 明後日?」
「コーキ……」
ジュリアスの表情が翳った。そういう顔をされると、いつもの光希なら引き下がるところだが、今回はそうはいかない。