メル・アン・エディール - まほろばの精霊 -

1章:狭間に揺れし青斑に、古の魔法 - 0 -












『古い船乗りの詩』

帆を張れ 風を呼べ

船頭がいなけりゃ お前が勇を叫べ!

黄昏に 嵐がくる

みなで歌え 低声こごえで歌え

アトラスは応えてくださる

霊気かぜが雨雲をはこんでゆく

のぞく陽の光

四方よもの水面をこんじきに染める

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『古い飛行士の詩』

無限の空 茫漠ぼうばくの空

蒼の中を 私はどこまでも彷徨う

世界はずっと下に在る くじけず翔けよ

アウロラは応えてくださる

霊気エーテルを成して 天が開く

空と海はようやく繋がる

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『古い古い恋詩』

……よ、あなたは わたくしの慰め

わたくしの 癒し

わたくしの 恋い慕うもの

わたくしの 太陽

逝きて亡き人 行きし日を今も忘れない

陽の光 海を黄金に染めしとき あなたを想う

月の光 海を銀班に染めしとき あなたを想う

あなたを偲び

空と海と此処ハーレイスフィア

魔法を一滴ひとしずく落としましょう