揺れる腰の隙間に、手を伸ばされた。太もものつけ根から、睾丸や会陰えいんを撫でまわされる。

「ぁ……っ、あ――ッ!」

 性器を直に触られると、あっという間だった。
 光希は切なく腰を揺らして、ジュリアスの手に包まれたまま絶頂を迎えた。凄まじい快感が身体中を駆け巡る。
 快楽の余韻に身体を揺らしていると、優しく髪を撫でられた。あらゆる感情が溢れて……涙が溢れた。
 自分が信じられない。こんな恰好をして、女みたいな喘ぎ声を上げて……ジュリアスの手で……

「……っ、ごめん……ッ」

「シィー……」

 頬に伝う涙を、ジュリアスは長い指で拭った。滑らかな絹で、光希の濡れた下半身を拭うと、力の抜けきった身体を抱き合うように膝上に乗せた。しゃくりあげる光希の背を、あやすように優しく撫でる。
 これまでの人生で、これほど涙したことはない。泣き疲れて、次第に頭が朦朧とし始めた。
 焦点の結ばない眼差しで、皺の寄った絹を見つめる光希の顔を、ジュリアスはそっと覗きこんだ。泣いて腫れた瞼に、ちゅっ、とかわいいキスをする。
 慈しみに溢れた仕草に、光希もようやく力ない笑みを浮かべた。ジュリアスは蕩けるような笑みを浮かべると、光希の顔中にキスの雨を降らせた。
 心地いいキスにしばらく身を任せていたが、唇が首筋、鎖骨を辿り……熱を灯すように肌を啄むと、燃えるような放熱を思い出して、身体は勝手に強張った。

「ジュリ……」

「コーキ、大丈夫*****……」

 怯える身体を、ジュリアスは優しく宥めようとする。
 追い詰めるような触れ方ではなく、少しずつ熱を灯すような触れ方に、緊張は次第に解れていった。首や胸に優しく吸いついて、薄く赤い跡を散らしていく――

「ん……っ」

 親指でやんわり乳首を倒されると、堪え切れない声が漏れた。胸に顔を寄せようとするので、光希は思わず膝の上から降りて、自分の身体を抱きしめた。
 目を見つめて首を左右に振ると、ジュリアスは諦めたように微苦笑を浮かべた。綺麗な顔を近づけて光希の頬にキスをする。顔を離すと、軍服の上着を脱いで下も寛げる。勢いよく欲望の塊が飛び出した。金色の下生えから、光希よりもずっと大きい屹立が、雄々しく勃ち上がっている。

「あ……」

 そこに、視線が落ちた。光希だけじゃない、彼も感じてくれていたのだと思うと、純粋に嬉しかった。
 ジュリアスは見せつけるように、ゆっくりと上下に扱いた。光希の様子をうかがいながら、手を差し伸べる。
 迷いながらその手を取ると、本気を出せば逃げられるくらいの力で引き寄せられた。
 光希は逃げなかった。
 抱き合うような恰好で、ジュリアスの膝上に乗り上げる。彼の扇情的な姿を見て、光希の中心も緩く芯を帯び始めていた。

「は、ぅ……っ!」

 ジュリアスは自身と光希の性器をまとめて、ゆっくりと扱き出した。空いた片手で光希の身体を撫でまわす。丸くふっくらした二の腕、胸、腹……尻臀。尻の割れ目に指を滑らせ、すぼまりを押しこんだ。

「んぅっ、あ……っ!」

 互いの先走りで、性器はてらてらと濡れている。指が滑る度、ぬぷっと厭らしい水音が弾けた。
 卑猥な音に耳を犯される。理性は溶けて、次第に放熱のことしか考えられなくなった。

「コーキ*****……」

 耳朶に囁かれる掠れた声に、下半身が甘く痺れた。意味は判らないけれど、酷く厭らしいことをいわれたと判る。
 いやいやと顔を背けても、ジュリアスは何度も耳を唇で食み、舌でねぶって睦言を耳朶に囁いた。

『は、ぁ……っ、俺、もうっ……』

 あと少しでけそうなのに、ジュリアスは急に手を離した。昂った熱をどこにも逃がせず、もどかしい。

「ジュリ……?」

「コーキ***、*******……?」

『シてよ……』

 光希は強請るようにジュリアスの耳朶に囁いた。ジュリアスの手に自分の手を重ねると、やんわり自身へと導く。

「――ク……ッ、コーキ、****」

 ジュリアスは光希の唇を奪い、二本まとめて扱きながら後ろの尻孔を指で掻いた。前と後ろを淫らにいじられて、殆ど気を失うように二度目の放熱を遂げた。