超B(L)級 ゾンBL - 君が美味しそう…これって○○? -

3章:サヴァイヴァー - 6 -

 レオは、広海の腕を掴んで寝室に入ると、乱暴に組み敷いた。
「やだぁッ」
 暴れる広海を押さえつけて、強引にキスを迫ってくる。咄嗟に顔を背けると、耳朶に舌を這わせ、穴にねじこんできた。
「うぁっ」
 ぐちゅんと淫靡な水音が鼓膜を叩き、広海は顔をシーツに押しつけた。
「ゃ、離して……っ」
「るせぇ」
 頬を掴まれて視線がぶつかる。熱を孕んだ金緑の瞳に、躰の芯がぞくりと慄えた。
 強い視線で身動きを封じてから、レオは唇を奪った。
「っ……ふぅ……んっ」
 逃げられない。桁違いの膂力りょりょくに圧倒される。
 腕を突っ張ろうとしても、鋼のような躰はびくともしない。服を通しても、レオの躰は燃えるように熱くて、触れあった下腹部に緊張が走った。なんとか顔を背けることに成功したが、今度は首筋に舌を這わされた。
「やめて!」
 啄むような甘噛みと共に、シャツの内側に手がもぐりこんできた。
「うわッ、だめだって……っ」
 レオは抗う広海をいともたやすく押さえつけ、シャツを強引にたくしあげた。露わになった胸に、熱い視線が落ちる。
 二人の間に、張り詰めた糸のような緊張がみなぎった。
 広海が硬直している隙きに、レオは、シャツをさらにたくしあげ、広海の両手首を器用にまとめてベッドサイドに結んだ。
「っ!? ちょっと、なんで縛るの?」
「すぐ戻る。じっとしてろよ」
 レオは部屋をでていったと思ったら、茶色い紙袋を持ってすぐに戻ってきた。
「それ何? ……レオ?」
 不安そうに広海は訊ねた。レオは無言で手元をごそごそしている。
 振り向いたと思ったら、シリコンの吸盤と、回転式のハンドルのついた小型の硝子容器を手に持っていた。
「何それ? ……どうするの」
「これから使うんだよ」
 レオは広海の下腹部にまたがると、小さく折り畳まれた説明書を拡げて目を通しながら、容器やパーツを確認し始めた。
「まさか……」
 吸盤を乳首につけられて、広海はそれが何であるかを理解した。これは搾乳機・・・だ。
「保存できねぇか、試してみたかったんだよ」
「は?」
「母親は搾乳して、赤ん坊にミルクを飲ませるだろ? 同じように、ロミもできるんじゃねーかと思って」
「いやいやいや、俺母親じゃねェしッ」
「似たようなもんだろ、俺のこと養ってるし」
「産んだ記憶はねぇよっ!」
 思わず素で怒鳴る広海だが、
「るせぇ、喰料を無駄にしやがって、てめぇに拒否権があるとでも思ってンのか? あぁ゛ッ?」
 ほっぺを片手で鷲掴まれた。
「うにゅぅ゛~~っ!!」
 あひる口にされて、広海は憤懣遣る方ない思いで、唸り声をあげる。
「遠出する時とか、ストックあると安心なんだよ。黙って協力しろ」
「うぅっ」
 解放されたほっぺがじんじんする。抗議をこめて睨みつけるが、かつえる金緑の眸に射抜かれ、負け犬な広海は視線を逸してしまう。
「……ゃだ」
 噛みつく威勢も弱まり、怯えたように呟いた。
「お前が悪いよ」
 レオは無慈悲に告げると、吸盤の先につながるハンドルを押して、刺激を与えてくる。
「っ、おかしいよ、こんなの……っ」
 弱々しい声で広海は哀願した。
「瓶が溜まったら赦してやる」
 脂肪質の丸い胸を揉みしだきながら、ハンドルを上下に動かされると、本当に吸飲されているような感じがして、乳首から滲みでるのが判った。
 狂気の沙汰だ。
 必死に嬌声を堪える広海を嬲るように、レオは執拗に刺激を与えてくる。先端から溢れ始めると、少し緩めた。
「よし、ちゃんと絞れるな……一応、医療器具なんだぜ、これ」
 レオは巧みにハンドルを握って、溢れる白蜜が瓶に溜まるように角度を調節した。
「うぅ、変態ぃ……っ」
「変態上等。おら、もっとだせ」
 白く丸い胸を揉みしだかれ、広海は唸った。藻掻いても、ベッドがかすかに鳴るだけで、胴体にレオがのっているから全く動けない。
 愚かな痴戯と思うのに、乳首が覚醒めていく。
 吸盤の奥で、色づいた肉粒が勃ちあがり、自然なリズムで圧迫されるたびに、白い蜜を噴射してしまう。
「やだぁ……ッ」
 とろり、白蜜の揺れる硝子瓶に、絶望的な狂気を感じる。
「コツが判ってきた。見ろよ、もう三分の一溜まったぜ」
 レオは瓶を広海に見せつけた。
 正体不明の物体Xが瓶に溜まっている……こんなことありえない。
「ふぅ……っ」
 目尻から、静かに一筋の涙がこぼれ落ちた。
「……泣くなよ、あともう半分頑張れ」
「もぉやだ……っ」
「もしかして、痛い? 手で絞ろうか?」
「違う~っ……嫌なんだよぉ……っ」
 本気の泣きが入ると、レオは無言になり、手首の戒めを解いた。
「……?」
 一瞬、許されたのかと思ったが、下着ごとズボンを脱がされた。
「やめてっ」
 慌てて下着を取り返そうとするが、レオは服を遠くへ放って、自分も男らしく服を脱ぎ捨てた。広海の手を掴んで、既に雄々しく勃ちあがっている昂りを握らせた。その手の上から自分の手を重ね、上下にしごく。
「ぁ……」
 戸惑う広海の顔を見つめたまま、レオは手を動かした。
(あっつぃ……)
 掌のなかで、灼熱の塊が脈打っている。柔らかいのに固くて、自分にも同じものがついているはずなのに、驚かずにはいられなかった。
「あっ」
 レオは広海の手首を掴んで引き寄せ、尻を掴んだ。あわいに指を滑らせ、早くも潤んでいる孔に指を突きれた。
「ひっ」
「すっげ、とろとろじゃん……搾乳、気持ち良かった?」
 広海は真っ赤になって俯いた。
 一瞬で組みしかれ、レオが伸し掛かってくる。
 焔のような熱塊が後孔にあてがわれ、期待のためか、心臓は破裂しそうなほど鳴りだした。
「あぁッ」
 入ってくる瞬間、広海は恍惚の声をあげた。レオも艶めいた吐息をこぼしながら、慎重に腰を沈める。荒っぽい言動からは想像がつかないほど、手つきは優しい。
「……吸盤とるなよ」
 ずれた吸盤の位置を直すと、胸を揉みしだきながら、くん、っと突きあげた。
「ぁんッ」
 突きあげながら、搾乳機のハンドルを巧みに操作する。左右の乳首からびゅくびゅくと蜜が噴きあがり、ぽたぽたと瓶に溜まっていく。
「いいぞ。その調子、あと半分……っ」
 レオが腰を荒っぽく使いだすと、広海は逆手にシーツを掴んで揺さぶりに耐えた。感じたくないのに、声を、熱を、我慢できない。熱く熟れた肉胴を穿たれて、悦楽に貫かれる。ぐるりと腰を回されると、快感が螺旋を描いた。
「ふあぁんっ!」
「おぉ、今めっちゃ溢れた。孔と連動してンのか? ……おらっ」
 泣き所をごりごり擦られて、広海は軽く絶頂を極めた。屹立から透明な蜜が渋木しぶく。
 瓶のなかで白い蜜が踊っている。濡れた水音に、広海は顔を歪めた。
「ぃ、やめて……もぉだしたくない……っ」
「だせよ……全部だしちまえ」
 レオは広海の首筋を舐めながら、いっそう深く嵌めた。原始的な野性で腰を打ちつけながら、ハンドルを操作して乳首を絞る。
「ぁんッ……も、ぅっ、やだぁっ」
「は……上手だよ、ロミ。あとちょっとでいっぱいになりそう」
 突きあげから逃げようと腰を浮かすが、腰を掴まれ、いっそう激しく穿たれた。
「あぁッ、あ、あっ、んぁ!」
 ぱっちゅん、ぱっちゅんと結合の音も烈しくなって、のけぞった背がつりそうになる。脚で体重をささえるが、ふくらはぎが震えてしまう。
 淫らな律動に揺さぶられて、双つの乳首を代わる代わる搾乳されて、蜜を散らす性器にもしなやかな指が絡みつき、全身を妖しく波打たせながら、広海は悦楽を極めた。
「ひぃっ、ぁんッ!」
 絶頂の衝撃でレオをみ締めてしまい、彼も艶めいた呻き声と共に極めた。
 どくどくと脈打つ熱塊がぶるっと膨らみ、広海の奥でぜた。
 熱い飛沫がなかを濡らし、広海はくたりと全身を弛緩させた。レオも躰を倒して、汗ばんだ肌を押しつけながら息を整えようとしている。
 躰を伏せたまま、レオが吸盤をはずすと、空気が触れて乳首が震えた。
「ひ……っ」
 指で摘まれた瞬間、糸のように細い蜜が勢いよくほとばしった。レオの頬に撥ねた一刹那いちせつな、金緑の虹彩が放射状に走り、瞳孔が縦長に伸びて、紅い突起をぢゅぅっときつく吸われた。
「あぁッん!」
 引き剥がそうと肩を掴むが、獣のようにむしゃぶりついてくる。容赦なく舐め回され、甘く歯をたてられ、抵抗もままならない。溢れる蜜を啜られてしまう。
「やだぁ、や……吸わないでぇっ」
 髪を振りたくって、広海は涙を散らした。
「ぃ……イッたばっか……あ、あ、あっ、あぁ~――ッ」
 性器は震えるだけだったが、連続で絶頂を極めて、視界が真っ白に燃えあがった。
「あ、はぁ、はぁ、はぁ……っ」
 散々絞り捕られ、広海は解放された。制御不可能に陥った躰は、上も下も蜜を滴らせて、自分でも信じられないほど卑猥な有様だった。
「やっぱ生の方が美味いよなぁ……」
 世にも稀な美男子が、ゲスい感想をこぼしながら、たぷんと蜜の揺れる硝子瓶を見つめている。かと思えば、広海の顔を覗きこみ、額にちゅっとキスをした。
「ぅシッ、搾乳完了。お疲れ」
 レオは満足そうに、瓶を軽く振ってみせる。
 揺れる白い液体を眺めながら、広海は思わず泣きたくなった。
 喰料を勝手に渡したのは悪かったが、その代償がこれとは……
 深海に沈んで、二度と浮上したくない気分だった。